2017年10月22日日曜日

ソウルシンガーと並んで吹いた。最高だった。

とっても嬉しい夜でした。
尊敬する、The Fave Raves とのツーマンライブ。
ソウル好きのお客さんも、そうでないお客さんも、お店の全体が、ソウルフルであったかい雰囲気で。
GWOのライブはいつも体力を使ってヘトヘトになるんだけれど、昨日の疲れは、いつになく満足感のある心地よいものでした。

Golden Wax Orchestra のテーマは、サザン・ソウルです。
サザン・ソウルって、人気があるとは言い難い。
はっきり言ってマイナーなジャンルです。
フェイヴ・レイヴスは、そんなマイナーな音楽をひたすら25年も演奏している、稀有なバンドです。
出会ってから15年以上、明らかに、どんどん深みが増している。
ひとつの音楽を追求するってどういうことか、美しい形で体現してるんです。

クラリネットでボーカリストのように「歌う」のが、GWOの目標です。
もちろん真剣にやってるんだけれども、それでも、引け目のような気持ちが、どこかあります。
だってクラリネットだから。
既存の形じゃないものって、なかなか真面目に受け取られないことが、ある。
クラでサザンソウルなんて。
イロモノとして見られるんじゃないか。
特に、ブルースやソウルって、いわゆる「うるさい」リスナーが多いから、よけいに気後れしてしまう。

そんな引け目もあって、その道ひとすじのボーカリストである青山さんに声をかけるのは、特別なことでした。
「歌う」ということに自信と覚悟がなければ、気軽に同じステージには立てない。
GWOを始めて4年、ようやく、誘うことができた。
バイユーゲイトでのツーマン企画、いままでも、好きな人しか呼んでないし、どれも満足できる内容でした。
ハッキリ言って、ラインナップには自信があります。
でも今回はその中でも、スペシャルな意味がね、あったんですよ。

まずは、フェイヴレイヴスから。

馴染みの店、バイユーゲイト。
いつもの空間で聞くこのバンドは、最高でした。
いや、いつも素晴らしいんですけどね。
何が最高だったかって、きのうは、フェイヴ・レイヴスをはじめて聴くお客さんも、たくさんいたんです。
サザンソウルなんていうマニアックな音楽で、特に派手なステージングがあったり面白いことやるわけでもない。
言ってみれば、ただ歌うだけ。
ほとんどカバー曲だし、しかも英語だし。
それでも、原曲を知らない人、サザンソウルを知らない人にも、ちゃんと伝わる。
その様子を目の当たりにして、もうなんというか、感無量というか。
サザンソウルって、名前の通り、ソウル=魂の音楽です。
魂のようなものを表現することにこれだけ特化した音楽って、他にないんじゃないかと、思ってます。
なんかね、そのことが証明されたような気が、したんですよね。

SNSにアップしたライブ動画を見て、来てくれた人もいました。
こんなバンドがいたなんて!って感激している様子見て、ああ、もうたまらない。
そうやって、感動を共有できるのは、何にも変えがたい幸せです。
フェイヴ・レイヴス、僕の演奏を好きな人なら気に入ってくれるはず、とは思っているけれど、それでも音楽には好みがあるし、はたしてどうかな、という気持ちは消えないものです。
フェイヴ・レイヴスのステージの終盤には演奏に僕も加わって、終わったときには、もう自分のステージやらなくていいんじゃないか、ってほどの満足感でした。

そして、自分の番。


実はライブ前までは、フェイヴレイヴスの後でやるって、どうなんだろう?と思ってたんですが、気負わずやれた。
あんなにひたむきな演奏を見た後ですは、もう、ただ真っ直ぐに吹くことしか、できませんからね。
フェイヴ・レイヴスを見に来たお客さんも、楽しそうに聴いてくれてる。
クラリネットでソウル、ってどう思われるか不安もあったから、嬉しかったな。
青山さんとギターのヒトミさんが、僕のクラリネットに合わせて歌詞を口ずさんでいる。
ああよかった。
間違ってなかった。

最後にまた、全員で。

青山さんが、打ち合わせと違う曲をやりたいって言い出しました。
Bring It On Home To Me。
この曲を、一緒にやれるとは!
サム・クックが浮かびます。
続いて、Having A Party。
ハーレム・スクエアのライブ盤の、最後の曲。
クラを置いて、ヒトミさんのマイクで一緒に歌う。
サムの退場前の台詞を、青山さんが言う。
ああ、なんかいま思い出してもグッと来ちゃうな。

アンコールで、オヴェイションズをやって。
最高でした。
やり切りました。


Golden Wax Orchestra、ひと山越えたような、なんか区切れたような気がします。
本当に、みなさん、ありがとうございました!

2017年10月17日火曜日

ついに!青山さんと共演します!

おととい、はじめて福生に行きました。
駅としては、東福生。
米軍・横田基地があって、基地の塀に沿って、国道16号線が走っています。
ルート16(シックスティーン)。
その道をはさんだ向かい側に、ズラーっとお店が並んでいて、そのあたり一帯はアメリカンな雰囲気が漂ってる。
アメリカにいた身として、嬉しいようで懐かしいようで、気分が高揚します。




ゆっくりお店をのぞく時間がなかったのが残念です。
というのは、ハロウィン・イベントに出演する Two Faves のライブを見るのが目的だったからです。
日本最高のサザン・ソウル・バンド、The Fave Raves の、ボーカル・青山さん&ギター・ヒトミさんのデュオ。
今週土曜、Golden Wax Orchestraで、この2人にベースが加わったトリオと共演するんですよ。
相方のギターが、フェイヴ・レイヴス見たことないって言うんで、連れて行ったんです。
他にも都内でライブあったんだけど、満員売り切れで行けずに、わざわざ福生まで足を運びました。

僕は、サザンソウルが好きなんです。
音楽ジャンル、ってことで言えば、いちばん好きかもしれない。
でも、そこにはクラリネットの入る余地がなくて、なら自分でやっちゃえ!ということでGWOをはじめたのが4年前。
そうか、もう4年もやってるのか。
以来ずっと、歌うように吹くことを追求してきた身としては、敬愛するソウル・シンガーである青山さんとの共演は、夢でした。

フェイヴ・レイヴスに出会ってから、もう15年以上は経っているはずです。
メンバーの入れ替わりも含め、何度もライブ見てるけど、デュオ編成は初めてです。
ヒトミさんのギターって、サザンソウルの匂いプンプンの、かなりクセのあるスタイルです。
それとボーカルだけって、ちょっと想像つかなくて、すごく楽しみ。




イベントも終盤、暗くなりかけたころ、Two Faves のステージがはじまりました。
楽器はエレキギターのみ。
リズム楽器も低音もない、スカスカのサウンドです。
でも、物足りなさはない。
それどころか、実際には鳴っていないバンドの音が聞こえるような、いや聞こえるわけないんだけど、こちらの頭の中で、音を補うように想像力が刺激されているのか。
とにかくそれはソウルミュージックにしか思えない。



ヒトミさんのギター。
どこからどこまでも、いなたい。
こんなにまでフィーリングを血肉化するには、いったいどれどけのリスニングが必要なんだろう。

青山さんの歌。
シンガーとして素晴らしいのは当然として、全身から伝わってくる、まさに「ソウル」が、ハンパない。
なんか、いつも涙出ちゃうんですよね。



そういえばこのデュオの編成、ギターと歌だけって、GWOと同じじゃん・・・まいったな、こんな素晴らしい人とやるのか。
わかってたけど、わかってて声をかけたんどけど、あらためて久しぶりにライブを目の当たりにして、これは本当に真摯に全力でステージに臨むしかないな、と、身が引きしまりました。 
GWOは、エンターテイメントな要素もあるし、ネタのような曲もレパートリーにしています。
でも今回は、何のギミックもなし。
歌うことに徹しようと、決めました。
いつもの半ズボンもやめて、スーツでいきます。
それで聴かせられないようでは、もう続ける資格はないでしょう。

青山さんの歌は素晴らしい。
バンドとしても、The Fave Raves は長い。
2〜30年くらいやってるんじゃないかな。
それでも、もともとモッズシーンのバンドだし、僕のまわりのルーツ・ミュージック好きの人たちには、意外と知られていない。
ぜひ、聴いてほしい。
そもそもサザン・ソウルだし万人に受けるとは限らないけれども、好き嫌いは置いておいて、きっと心に響きます。
こんなすごい歌を身近で聴けることって、なかなかないですよ。

GWOとして、青山さんと共演するのはひとつの目標でした。
どうなることか。
心地よい緊張感すらあります。
今週土曜、バイユーゲイトへ、ぜひお越しください!!


10/21(土)  三鷹 バイユーゲイト
出演:Golden Wax Orchestra / The Fave Raves Acoustic Trio
19時 Open / 20時 Start / 2000円


※以前にもこのブログでThe Fave Raves のことを書きました。読み返すと、いつも同じ感想です。それだけ、ブレないバンドってことでしょう。
The Fave Raves、Smart Soul Connection、夜のストレンジャーズ
The Fave Raves

2017年10月14日土曜日

NO生活28 - 奨学金トラブル

いよいよ卒業まであと数ヶ月になって、金銭トラブルが発生しました。
今学期分の奨学金が、口座に入金されていないんです。
どういうことなんだろう?
遅れるのかな?
何の通知もないんだけど。


奨学金オフィスに行って聞いてみると、何かが条件を満たしてなくて、支給されない、と言います。
窓口では、それ以上の具体的なことは教えてくれない。
そんなこと言われても、思い当たることはありません。
特に何か変えたわけでも、新しいことをしたわけでもないし。


まいったな。
奨学金がないと、授業料も払えないから、卒業できないじゃん。
まあ、学位取るために留学したんじゃないから、それでもいいのかな。
そしたらもう授業出る必要もないわけだ。
でも、食費もぜんぶ自腹になるし、寮にもいられなくなる。
数ヶ月くらいなら、誰かの家に置いてもらえるかな。
ライブの稼ぎで、生活はなんとかなるだろう。
そうして、毎日好きな音楽やって好きな場所に行って過ごしたら、それはそれで楽しいかも。
と考えてみても、やっぱりこれまでの3年半が無駄になる気もして、どこか割り切れません。


音楽学部のオフィスに相談してみました。
学部長のウィリアムの部屋に行って、一緒に僕の授業の取り方やいろいろを見直してみても、何が問題なのかわかりません。
決められたクラスはちゃんと取ってるし、成績が悪いわけでもない。
ウィリアムも首をひねって、奨学金オフィスに問い合わせて調べるくれることになりました。

とりあえず、いままで通りに学校生活を送ることにしたけど、やっぱりけっこう授業も忙しくて大変で、卒業できないんだったら、こうやって教科書覚えたり深夜まで勉強したり、ぜんぶ無駄だよなーなんて思いながらしばらく過ごしていると、ウィリアムのオフィスに呼ばれました。
どうやら、単位の取り過ぎだった、と。
ジャズ課のカリキュラムのレッスン以外に、クラシックの先生からも個人レッスンを受けていて、それがいけなかった。
奨学金は、卒業までに必要な単位分の授業料しかカバーしていないので、課外レッスンの分が規定の単位数をオーバーしていたんです。
レッスンを勧めたのはこっちなんだから、Teppeiに責任はない!
あっちに話してなんとかするから、任せとけ!

と、ウィリアムは言ってくれました。

もう自分の手には負えない話になってきた。
だんだんと話は広がって、いろんな人が心配してくれるようになりました。
廊下ですれ違うたびに、どうなった?大丈夫か?と声をかけられます。
なかなか話し合いは進まないようで、そのうち怒りはじめる先生もいて、音楽学部vs奨学金オフィスのようなことになってきました。

正直、こんなにも大勢が自分のために動いてくれるなんて、想像しませんでした。
日本であれば、学校でも会社でもどんな組織でも、こんな風には、たぶんならない。
いや、アメリカでも、ニューオリンズ以外では、どうだかわかりません。
この町には、いわゆる「ホスピタリティ」「助け合いの精神」みたいなものが、空気のように、当たり前にあふれている。
それをこの時ほど実感できたことはありませんでした。
ニューオリンズは音楽の町です。
でも、なんといっても素晴らしいのはそこに住む人たちであって、それだからあんなに豊かな音楽が生まれてくるんです。


なんてことを思いながら、しかし事態は進展せずに、卒業まであとひと月、というくらいになってしまいました。
その間、淡々と学校生活を送っていましたが、宙ぶらりのような気持ちがどこかにあって、ようやくウイリアムに呼ばれたときは、結果に関わらずこれで落ち着くな、と思いました。
さて。
残念ながら、奨学金オフィスとの話し合いは、決裂したそうです。
が、なんと驚いたことに、音楽学部の予算の中から、僕の学費を特別に負担してくれる、と言うじゃないですか!
信じられない。
異国から来た留学生ひとりのために、そんなことまでしてくれるなんて。

それを伝えてくれるウィリアムは、満面の笑顔でした。

校内ですれ違うたびに、事情を知る誰もが、祝福してくれます。
「おめでとう!」「よかったな!」と、みんなが声をかけてくれる。
心から。
嬉しいと同時に、考えました。
逆の立場だったとしたら、自分はこんなに素直に、他人を思い、行動できるだろうか。

そのとき僕に向けられたたくさんの笑顔は、いまでも忘れられません。
それは、無事に卒業できたということよりも、大事な記憶です。
こうして何年もたってから振り返っても、幸せな気持ちになる。

あらためて、ニューオリンズという素晴らしい町に、4年間面倒をみてもらった恩を、感じずにはいられません。

2017年10月8日日曜日

どうやらYouTubeがすべてのようだ

飲んでて、からまれました。
知り合いなんだけど、そんなに話したことはない、年上の人。
会ったのも偶然で、1年以上ぶりです。
お前なんであんなバンドやってんの?
から始まって、彼の連れの、僕は初対面の人に、こいつの音楽ホント最低なんだよ!って言ったり。

それは別にいいんですよ。
その人は、そういうことを言うキャラなんで。
年下に説教したり、あれ知らないんじゃ音楽聞く資格ない、とか言ったり、とにかく口の悪いのを楽しんでる人。
それにきっと本当に心から言ってるわけじゃない。
だってそんな嫌いなら、飲んでる席にわざわざ呼ばないでしょう。
たぶん酔ってたのか虫の居所が悪かったのか、おいおい言い過ぎじゃん?って、連れの人たちが心配してくれたほどでした。

でも、ひっかかったのは、罵倒されたことじゃないんです。
あんまりしつこいから、ためしにライブ聴きにきてくださいよ、って言うと、お前の演奏ぜんぶ聞いてるから、って笑うんです。
いやいや待ってよ。
僕の演奏1〜2回しか聞いたことないじゃん。
それも野外のフェスで同じ会場にいたってだけで、お客としてちゃんと聞いてたわけではたぶんない。
そしたら、YouTubeけっこうチェックしてるんだよ、って。

おどろきました。
すごい音楽好きな人なんです。
レコードやら音質にもこだわるような、それで聴いてる音楽も僕と近いし、意思をもって音楽に接して生きている。
それなのに、YouTubeなんだ。

YouTubeって、楽曲の魅力を伝えるには適してると思いますよ。
でも、ライブが素晴らしいミュージシャンの場合、YouTubeじゃ良さがわからないことが多いものです。
だからライブに足を運ぶんだし、少なくともYouTubeで判断なんてしない。
っていうのは自明のことと思ってた僕の価値観が、ズレていたことを思い知らされました。
その人、本当にかなりの音楽好きなんですよ。
そんな人でも、いまではYouTubeで音楽を聞き、それでいい悪いの判断をしているなんて。
YouTubeのライブ動画を信用しない僕は、どれだけ少数派なんだろう。

どうすればいいんだろう。
ライブで勝負するミュージシャンは、じゃあ動画をアップしなければいいのか。
うーん、でもネット上になにも参考資料がない、というのは、いまどきよろしくない気がします。
だから、みんな悪くないものを選んでアップしてるはず。
僕も自分でアップしてるのは、GWOの3本と、バンジョーとのデュオで1本だけです。
あとは所属バンドのものもあるけど、そっちでもそこまで変なのは、きっとない。
けど、お客さんが勝手にアップしちゃうこともあるんですよね。
僕の場合も、削除をお願いしても無視されてそのままになってる動画があります。
その動画で判断されたくないから削除したいんだけど、できない。
周りでも、そんなこといっぱいあります。

本当に、どうすればいいのかわかんないけど、まあしかし勉強になりました。
いまではミュージシャンをYouTubeの動画のみでジャッジするのが当たり前、ということを、身をもって知りました。

そういえば、ちょうど先日、尊敬する年上のミュージシャンと話していたときのこと。
いまの若い奴にあれいいよ、って過去の名盤なんかを教えても、あとでYouTubeでチェックします、で終わってしまって、アルバム買ってじっくり聞いたりしないのは、あれはよくないよ軽すぎるよ、って嘆いてた。

そういうのなんだか悲しいな、と思うこの気持ちも、時代遅れなのかもしれません。




2017年9月30日土曜日

東洋館ボーイズバラエティ大会にて思う

昨日はいちにち浅草。
ペーソスで、東洋館の昼公演と、夜にも特別公演に出演しました。
寄席に出るのは、もう何回めだろうか。まだ10回にはならないかな。
まさか音楽やってて寄席の舞台に、しかも定期的に立つことになるなんて思いもしなかったよなーって、あらためて思います。


東洋館に出るようになって、面白いことやろう、という意識がより強くなりました。
いろんな面白小物を振ったり叩いたり、いまでは、1ステージほとんどクラリネットを吹かない時もあります。
楽器を吹かずにひたすら変な踊りをするだけなんて、寄席に出なければやらなかったことでしょう。
新しい場所にいくと、自分も新しく変わっていくものです。

「芸人」のもつ独特の雰囲気にも、とても影響を受けてます。
舞台に出るだけで、会場がその人の世界につつまれる。
それは、ミュージシャンのステージにはないものです。
僕も、それなりにお客に受けることもあるけど、何もやらず立ってるだけで魅了することは、とてもできません。
すごい。
あこがれます。

まあ、それはおいておいて。
夜の部は、『ボーイズバラエティ大会』でした。
ボーイズバラエティ協会の、なんだろ、お祭り?みたいな。
メンツは、昼間の通常公演とそんなに変わるわけじゃない。
違いは、「ボーイズ」の看板をはっきり前面に出してること。

ボーイズ。
楽器を使った演芸・お笑いグループのことです。
その昔、浅草で演芸が盛んだったころ、エノケンが活躍してたような時代、あきれたぼういずという楽器を持った4人組が人気でした。
いまでいえばコミック・バンドってことになるでしょうか。
それ以後、◯◯ボーイズという名前のグループがたくさん出現し、やがて「ボーイズ」というジャンルができあがったわけです。

昨日は、ステージの合間に、あきれたぼういずを始めとした昔のぼういずグループの映像が流れたり、それらのバンドのテーマ曲を演奏するコーナーがあったり。
歴史を感じます。
僕のいるペーソスは、あくまでもバンドであって、ボーイズというわけではありません。
それでも、この場の一員として東洋館のステージに立てることは、実はとても光栄なことだと、舞台袖でしみじみ思いました。

振り返ってみると、僕の音楽活動は、コミックバンドから始まってるんです。
くものすカルテットという、自由劇場の役者がつくったバンド。
お笑いってほどじゃなかったけど、役者のさすがの喋りと、レパートリーも演芸やヴォードヴィルの色が濃かった。
ライブでは、猫のヒゲを顔に書いてたし。
僕自身、バンドをやる以前から、あきれたぼういずの編集盤CDも聴いていました。
中村とうようの影響か、あるいは、篠田昌己周辺のチンドンや、大工哲弘『ウチナージンタ』の流れか覚えていないけど。

そもそも、バンドやりたい!って思ったきっかけが、ボンゾ・ドッグ・バンドですからね。
イギリスの、お笑いじゃないけど、変な衣装で演芸的なパフォーマンスをするバンド。
最初から、音楽至上主義とは遠いところにいたんです。
それから楽器を続けるうちに、だんだんとミュージシャン志向になっていって、チンドンやコミックバンドとは縁がなくなってしまった。

だから、こうして、意図せずに、ボーイズの流れの末端で、東洋館の舞台に立ってることが、とても不思議で、なんだか感慨深い気に、なりました。
これからどうなることやら。
楽しみです。

2017年9月17日日曜日

なんで俺の好きな店はなくなるのか

ペーソス北海道ツアー、札幌からスタート。
初日は、札幌第一ホテル。

2日目は、Catchball Radio SAPPORO。
両日とも、大変に盛り上がりました。
ペーソスは、お客さんがいい。
年配の方、ご高齢の方。
得体の知れない曲者オーラたっぷりの御仁。
すばらしい。
打ち上げも含めて、楽しい二日間でした。

しかし、悲しいニュースが。
なんと、札幌の名店Dixie Roux が閉店しまったという!
2年前にコロリダスで訪れて、あまりにもニューオリンズすぎてお店の人もクレイジーでぶっ飛ばされた、忘れられないお店。
その時のブログを読むと、興奮が思い出されます(『札幌のニューオリンズ』)。

なんてこった。
宿泊先から近かったので、昼間に行ってみたら、おいおいあの美しい建物が見る影もないじゃん!
食パン専門店だって。
気にくわねーな。
美味いのかもしれないけど、なんだよこのFuckin'な外観は!
情緒のカケラもない。
金賞?
知るかボケ!

こういう、文字情報をバーンと出してる店、嫌いなんです。
金賞とるのは、すごいことかもしれないけどさ、それを自慢してそれをエサに人集めするなんて、下品だよ。
お前にはプライドや美意識がないのか。
昼過ぎなのに完売だと?
もっとたくさん作れよ!
希少価値つけて売ろうとすんじゃねーよ!

って、べつにこの店に難癖つけたいわけじゃないんです、すみません。
でも、前の建物とのギャップがすごすぎて。
あんなに雰囲気たっぷりだったのを、どうしたらこんなに無味乾燥どころか下卑た下心丸出しのものに変えてしまえるのか。
ああ悲しい。

音楽も食事も、大事なのは数字じゃない。
誰かの心に響いて残るかどうかです。
心に残るって、音楽の出来不出来なんていう単純なことじゃない。
いくら出来のいい音楽でも、ステージでの態度や雰囲気のせいでネガティヴな印象に終わることだってある。
どんなおいしい料理も、美しくない皿に盛られて出されたら台無しじゃん。
わかってないよ。
目先の損得のために、人生の価値を下げてるよ。
俺はね、たとえばミュージシャンでも、プロフィールに◯◯で優勝、◯◯氏に師事、とか書いてる奴は、信用しないよ。
そりゃ時にはしがらみで書かなきゃいけないこともあるだろうけどさ、自分から喜んで経歴を自慢するなんて、恥ずかしくないの?
カッコ悪い。
ロックじゃないよ。
ああ余計なこと書いてるのは分かってるし、奴らも俺のこと好きじゃないのは知ってるよ。
どうせ住む世界がちがう。
あっちはあっちで和気あいあいと、お上品に魂のない人生送ってりゃいいさ。


また好きな店が無くなってしまった。
事情は知らない。
できることはなにもないのが、悲しい。

2017年9月12日火曜日

ロンサムじゃない?野暮なこと言うなよ!

おとといは、ロンサム・セレネイダース。
って、もうおとといの話になってしまったけど。
トランペット、クラリネット、バンジョーという変則トリオ。
管楽器2人に対して、リズム/コード楽器が1人。
リズム+メロディ、というよりも、全部の楽器が織物のように絡みあって、繊細で独特なサウンドがね、なかなか良いんです。
コウさんとトランペットと僕のクラリネットの相性が、だいぶいい。
音色がよくブレンドするんですよね。

この日は、豪華ゲスト入りのスペシャルバージョン。
ドラムに木村おうじ、さらにニューヨーク在住のトランペッター大橋諭。
飛び入りで中川恭太がピアノ。
サトルさんが、トランペットだけじゃなくて、なんとトロンボーンとスーザフォンも持って来てくれた。
もちろんそれぞれの楽器の専門家にはテクでは敵わないんだけど、グルーヴ感を分かってるから、すごくいい。
ジャズの上手いトロンボーンやチューバ奏者を連れて来ても、ああいう風にはならない。
不思議なもので、僕のフレーズもいつになくニューオリンズになります。
いやー楽しかった!
日本で、少なくとも東京で、こんなにアクの強いニューオリンズ感が出せるなんて!


にぎやかすぎてバンドの本来のサウンドじゃない、なんて野暮なこと言わないで。
その場にいるメンバーで一緒につくるのが、音楽です。
頭のイメージを再現するのは、音楽じゃない。
いや、そういう種類の音楽もあるけど、僕はあんまりそっちには興味ないし、グルーヴ系の音楽で、しかもライブでそれをやっちゃダメでしょ。

再現は、つまらない。
過去の音楽を聴くことは、とっても大事。
でも、演奏中にそれを思い浮かべるのは、ダメだと思う。
自分の音楽にならない。
特定のミュージシャンに成りきった気持ちでいるのは、いいよ。
でも、特定のレコードや特定のフレーズを念頭にするのは、よくない。
うーん、こうして書いてみると、伝わりづらい線引きかもな。
まあいいや。

とにかく、いい音楽やれて、お客さんもみんな喜んでくれて、それでいいじゃん。
それがライブ。
サークルの発表会とは違うんだぜ!
って、「オールド・ニューオリンズ・ジャズ」というビジョンをはっきり掲げたバンドのライブで思える自分の柔軟さが、好きです。
音楽って、やわらかいよ。