ミュージックマガジンと中村とうよう

昨日のブログでミュージックマガジンのことを書きました。
最近は読んでませんが、とても思い入れのある雑誌です。
僕の音楽人生には、ミュージック・マガジンと、レコードコレクターズ、そして両誌の編集長だった中村とうよう氏が大きく影響しています。

僕が音楽を本当に掘り下げて聴くようになったのは、19歳の時に大学を辞めて実家を出てからです。
最初は映画・映像方面の人とばっかり付き合っていたので、音楽の話は、アート寄りのものや新しい音楽ついての話題が多かったです。例えば、ボアダムスとかジョンゾーンとか暴力温泉芸者とか、あるいはポーティスヘッド、ビョークとか。
ところが僕自身はどんどんルーツ音楽嗜好になっていったので、周りで話の合う人は多くありませんでした。

そんな中で、音楽の情報源はもっぱら古本屋で100円くらいで売ってるミュージックマガジンとレコードコレクターズのバックナンバー、あとはCDのライナーノーツでした。
で、週に一度、新しく得た情報を手帳にメモして、御茶ノ水のレンタル店JANISに行ってCDを5~6枚借りて、神保町の古本屋に寄って、そこからバスで渋谷に行ってタワレコで視聴をする、ということを続けていました。

誰かと話してても、会話の中に知らないミュージシャンの名前が出てくる度に手帳にメモってましたね。
どんどん発見があるし、二つの雑誌によって今まで聴いてきた音楽の繋がりや影響関係が整理されていくし、本当にワクワクする日々でした。

ある日近所で、ミュージック・マガジンとレコード・コレクターズがまとめてゴミに出されてるのを発見しました。
もちろん、大喜びで持って帰って、全部読みましたよ。
その拾い物のお宝のお陰もあって、当時のバックナンバーについてはほとんど読みつくしたと思います。


JANISでCDを借りまくるうちに、中村とうようの編集したコンピレーションに出会います。
まず、「オーディブック」というシリーズ。本みたいなサイズで、CDと分厚い解説書が一緒になってます。
ゴスペルやドゥワップの流れを紐解くものがあったり、カルメンミランダとかカリプソとかも、このシリーズで知ったと思います。
解説書もコピーして保存して、何度も聴きました。

普通のCDサイズのシリーズもあります。これがまた素晴らしい!
と、ググったらamazonで売ってた!
     
このCD、バーバー・ショップ・カルテットから始まるんですよ!
ブギウギ・ピアノの編集版も良かったし、ブラックミュージックの伝統、っいうのもあった。あと、フィドルのルーツをアイルランドまで遡るやつが刺激的で好きだったけど、amazonにはありませんでした。

あとはこのオーディブック、「アメリカンミュージックの原点」ってのがすごい!

本当に興奮して、JANISに置いてないものは買い集めました。
で、このシリーズ、分厚いライナーノーツを入れるために、特注のプラケースになってるんですよ!!ライナーを入れる部分がわざわざ厚く作ってあるんです。もう、その心意気に感激します。

中村とうよう氏の著作もほとんど読みました。図書館にもありますしね。
いちばん好きなのは「アメリカンミュージック再発見」。渡米する際にほとんどの本を手放した時でも、これは残しておきました。

彼を好きじゃないという人もいます。偏ってる、批判的だ、独善的だ、という意見があります。
僕は、尊敬してます。僕の音楽の先生は、ライ・クーダーと中村とうようです。


ああ、書いててこんなに長くなるとは思わなかった。
もう、気持ちが、溢れてくるんですよ。
書き終わらなそうなので、ここまでにします。続きは明日。

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