中尾淳乙「AMERICANA」にグッときた!

中尾淳乙「AMERICANA」を聞きました。


素晴らしい!
感動したので、書きます。
なんでも初期衝動が大事ですからね。

とにかく、アメリカ音楽で僕の好きな要素が、すごくたくさん詰まってる。
内容は、もうタイトルとジャケットの絵そのままです。
あ、いや、違うかな。
「アメリカーナ」って言うと、アメリカのオルタナ・カントリー・バンドの音を想像するかもしれない。
そんなに気負ったアルバムではないです。

何のギミックもなく、何のひけらかしもありません。
よく、「気心の知れた仲間とのリラックスした演奏~」みたいな表現があります。
これも、そう言ってもいいアルバムかもしれません。
でも、なんか違うんですよね。
気負ってはいないんですが、ただの良質なスマイル音楽ではない。
なぜか、所々で胸がいっぱいになるんですよ。

例えば、パッと思いつくところでは、もうけっこう前ですがエイモス・ギャレットのソロが出た時、好きでけっこう聞いてましたけど、涙は出なかった。
どっちが優れてるか、ってことじゃないんですよ、絶対。
エイモス大好きですもん。

涙が出るっていうのも、例えばサムクックのハーレムスクエアみたいに、魂の名演!っていうのとも違います。
なんというか、音楽愛みたいなのを、感じるんです。
ぐっと来るポイントに、ぐっと来る音が入ってるんですよねー。
そう、そこでその音がきたら堪らない!ということが、全編に渡って繰り広げられるんです。
なんだろう、例えば、ライ・クーダー「Boomer's Story」の中の "Maria Elena" の、2コーラスめかな?ピアノが入ってくる所のグッとくる感じとか。


しかし、勢いで書いてるけど、全然アルバムの説明になってないですね。
なんでか、具体的に整理して考えることはしたくない音楽なんですよ。
まあ、ブログなんだし、感動した記録ということでいいでしょう!

ちなみに、このアルバムを聞いて連想したのは、Martin Belmont の 「Big Guitar」。
理由は、わかりません。
2人ともギタリストですね。
で、どっちのアルバムも、「ギタリストのソロアルバム」感が薄い。
中尾さんの方は特に。
きっと、「音楽」が好きなんだと思います。
曲・アレンジ志向というか、雑多といってもいいくらいに、色んな楽曲が並んでます。
そしてそれがまた、「アレンジしました」感が希薄で素晴らしい!
こういう、自然にいろいろ混じっちゃった感じは、NRBQあたりにも通じるかも。

もう、とにかくツボです。
歌詞も好き。
しばらく愛聴盤になること間違いありません。
僕と趣味が合う人には、強烈にオススメします!


それにしても思うのは、こないだのザディコ・キックスのライブでの面々もそうですが、みんな僕よりずっと上の世代の人達なわけです。
色んなことを、見てきたんだろうと思います。
そして今でもこんなに素晴らしい音楽をやっている。
すごいです。
感動するし、刺激になるし、勇気づけられます。

あと20年、30年したら、自分はどんな音楽をやっているだろうか。
この先輩たちに対して恥ずかしくないようにやれてるだろうか。
ずっと続く素晴らしい音楽のラインの末尾に、並ぶことができるだろうか。

中尾さん、ありがとうございます。

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