上海バンスキング

「上海バンスキング」を見ました。
映画版じゃなくて、自由劇場の舞台を収録した方です。


面白かった!
とても、バランスのとれた芝居。
ストーリーもしっかりしていて、変に奇をてらったりせず、誰でも楽しめる芝居だと思います。
かといって、浅いエンタメではなく、ちゃんと人物も描かれてるし、いろんな深い感情もぎっしり詰め込まれています。
いわゆる小劇場っぽさは薄くて、本当にいい芝居でした。
多くの人が感動してロングランだったのも頷けます。

吉田日出子がやっぱりすごいですね。
キャラづくりは、エキセントリックの一歩手前。
登場人物中ただ一人、リアルではない雰囲気です。
でも、その中で、突然にハッとするような瞬間を見せるんです。
本当に、本質の本質を抽出したような一瞬。
心をぐっと掴まれます。
頭を飛び越して、胸に直接くる。
特殊な感じの役作りだからこそ、できたことなのかもしれない。
それとも、その瞬間だけを見せたい、という意図があって、ああいうキャラになったのかな。
生で体験してみたかったです。

でも、やっぱり演奏は気になっちゃう!
だって、下手だもん。
もう少しだけ、なんとか上手くなってくれてたら!
昔CDを初めて聞いたころは、気にならなかったんですよ。
でも、今は、はっきり言って聞いていられない。
本当に残念!

吉田日出子の唄は、素晴らしいです。
歌い方は川畑文子ですが、そんなことは関係なく素晴らしい。
独特のノリですね。
どんな風に感じて歌ってるのか、わからない時がある。
生で聞いてみたいなー。


ずーっと、見たかったんです。
クラリネットを始めたころ、図書館で「上海バンスキング」のCDを借りて聞きました。
すごく好きで、繰り返し聞きました。
吉田日出子の歌い方とにかく素敵で。
自分のその後の音楽人生を振り返ってみても、影響受けてると思います。

そして実は、僕が初めて人前で演奏したのは、くものすカルテットという、自由劇場にいた人達のバンドだったんです。
僕の初ステージは、阿佐ヶ谷の名曲喫茶ヴィオロンでした。

バイオリンの片岡さん。
まだ楽器をろくに吹けない僕を、あたたかく励ましてくれました。
音を間違っても、「いいんだよ、それで」とニコニコ笑って言ってくれたのを、よく覚えています。

そして、アコーディオンの坪川くん。
篠田昌巳の〇回忌ライブで知り合って、バンドに誘われたんですよ、確か。
でも、話したきっかけは覚えてない。
聞いてた音楽や興味の対象が似てて。

くものすカルテットには、僕は1年もいなかったかもしれない。
で、いま調べてみたら、まだ活動してた!
そういうの、嬉しいですよね。
そのうち予定合ったら、ライブに顔出してみよう。

そして、実際に公演を見た人からも、感動した!という話を何度も聞かされていましたからね、今まで見てなかったのが不思議なくらいです。

さらに、最近出会った素晴らしい歌い手、高橋絵実さん。
彼女が、2月12日にワンマンライブをやります。僕も参加します。
そしてその会場が、六本木の新世界。
以前は自由劇場の持ち小屋だった所です。
上海バンスキングの曲も歌うかもしれません。
彼女が「あなたとならば」を歌ったら、と想像するだけで、ゾクゾクします。

上海バンスキング、縁があるなー。
2月の絵実さんのワンマンも、今から楽しみです。

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