N.O.生活(渡米前) 4 S.F.での宿、City Lights Bookstore

泊めてもらったブルースとキャロル夫妻の家は、山の中腹にありました。
San Anselmoという小さな町で、裕福な人たちが多く住んでいました。
サンフランシスコ市街からは離れていて、ゴールデン・ゲイト・ブリッジを渡った先にあります。

彼らは二人とも、自宅でカウンセラーみたいなことをやってます。
細かいことは分かりませんが、顧客には著名人も多くいて、遠くから通ってきます。
飛行機で講演に出かけたりもしてました。

自然の中の、ゆったりとした暮らし。
二階建ての家も美しい。
華美なものはなくシンプルで、全てに余裕が感じられます。
あそこで過ごすだけで、身も心も浄化されていくような気がしました。


アメリカでよく思ったことなんですが、向こうのお金持ちって、本当の意味でいい暮らしをしてる。
変に偉ぶったりしないで、自分の生活を大事にしている。
だから余裕があるし、他人も尊重できる。
人間的に魅力があって、尊敬できる人が多かったです。

お金の使い方を本当によく知ってる。
それは、お金をどう使えば心身共に健康でいられるか、ということ。
テイクじゃなくてギヴの精神。
コミュニテイを大事にし、アートや芸術に敬意を払っている。
若者やチャレンジする人を心から素直に応援する。

そういう価値観がベースになって、「パトロン」と呼ばれる形があるんじゃないかと思います。
パトロンて、日本ではあまりいい印象の言葉ではありませんが、本来はすごく健全で幸せな関係なんだなと、アメリカにいて思いました。


健全で健康な生活でした。
早起きして、学校に行って、帰って山の中で楽器を練習して、キャロルがたまに歌うのにクラで付き合って。

いろんな所に連れていってもらいました。
いい値段するであろうレストランから、何かのパーティや、山歩きや。
車で少し行けば、ものすごい大自然が広がってるんです。
隣町San Rafaelは、ジョージ・ルーカスが「アメリカン・グラフィティ」を撮影した場所で、よく車でアイスクリームを食べに行きました。
アメリカ人はアイス好きですよね。
ロスでジーンズ作る会社をやってる娘に会いに、キャロルと2人でロスまで8時間くらいドライブした時も、すぐ寄り道してアイス買ってましたね。

すごく素敵な夫妻。
息子みたいにしてくれたし、僕も、親のように、感じています。


ただ、学校が遠かった。
バス代が高くつくんです。
さすがに1か月、2か月もお世話になるわけにもいかないし、ホテルに移りました。

歩いて学校に行ける距離にある、安ホテル。
一泊30ドルくらいだった気がします。
週単位で借りると安くなるんです。
思ったより綺麗で、狭いけど快適でした。
映画「ブルースブラザーズ」の冒頭に出てくるホテルを、もっと小さくしたような感じかな。
色んな人がいました。
住んでる風な老人もいました。

そして嬉しい驚きが。
なんと隣のブロックにCity Lights Book Store があったんです!

ビートニクを象徴するインディペンデントな本屋。
ギンズバーグの「吠える」をはじめ、多くの書籍を発行し、50年代にはポエトリー・リーディングもここで盛んに行われていたようです。

サンフランシスコはヒッピー文化で有名ですが、僕はそのヒッピーの源流となったビートニク運動の方に惹かれます。
中期までのトム・ウェイツや、映画「裸のランチ」の雰囲気ですかね。
僕自身、ビートニクぽいって言われたことも何度かあるし、性に合ってるんだと思います。

偶然発見したことが、なおさら嬉しかったです。
店内には当時の写真も飾ってあり、「吠える(Howl)」のステッカーも売ってます。
なぜかここでザディコの雑誌を買いました。

日本でもしばらく前から、City Lights BookStore のトートバック見かけますね。
持ってる人がいると、ちょっと嬉しくなります。

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