浮かれた熱はいらない

僕は熱量が多いんです。
見た目はクールに見えますけどね。
熱く情熱的な人間です。

それで困るのは、周りが感化されてしまうこと。
世の中には、何かに本気で向うことをしない・できない・嫌いな人もいます。
そういう人でも、僕の熱に影響されて、なんか本気っぽい気分になっちゃうんですよ。

それでこっちも、よし!一緒にやろう!なんてうっかり思ってしまうと、後で後悔します。
みんな結局やらないから。
一時盛り上がっただけで、すぐ冷めてしまう。
若い頃はそれで何度も失敗しました。
勝手に、裏切られた様な気になっちゃうんですよね。
信じたのに…みたいな、ショックと絶望感が湧いてくるんです。


今では、例え相手がどれだけ気合いの入った本気発言をしても、それを間に真に受けることはありません。
その後の行動だけが真実ですから。
分かりやすく言えば、例えばもし「やる気あるのか!」とか熱いテンションで聞かれたら、たいがいの人は「あります!」と答えるわけですよ。
ただ熱に流されて、でもその瞬間は本気になったつもりで。

と、頭では解ってますけどね。
やっぱり自分の情熱を抑えることはできないし、それに周りが影響されるのは不可避です。
それで、なにか非日常的な場にあれば、一緒になって盛り上がってしまうことも、どうしてもあります。
だって、本当はそうなりたいんだから。

そう、本当は、誰かと遠慮なく意見も感情も全てぶつけ合ってシェアし合って、どこまでも登っていきたい。
でもそれは、きっと夢です。
だって、思ったより多くの人たちが、一生本気になることなく死んでいくみたいだから。
たまーに情熱的な人に出会うと、たいがい同じような悩みを抱えている。
そういう人と、やりたい事が一致したら、きっと夢に近づけんだろうけど。


けっきょく、これは僕の価値観であって、それを他人に当てはめることはできない。
僕がやることと同じことを他人に要求することはできない。
わかってるんですよ。
でも、まだわかってないんですよ。

他人と関わることは、エネルギーが必要です。
それが、徒労だったような、何にもならなかったように思えてしまった時の疲労感。
また最近、それが蓄積されてきていました。


そんな時、戻るのはクラリネット。
ニューオリンズのクラリネットです。
あのメロディを、あの質感で、あのムードで吹く。
その中に自分を没入させて、雑念を消してしまう。
クラリネットを媒介にして、音楽という、天国みたいな宇宙みたいな大きな存在に繋がれる気がして、リセットできるんです。

余計なことを考えてる時間があるなら、クラリネットを吹こう。
音楽は、いつも優しくてあったかくて、裏切らない。

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