クラリネットはカールよりブルーナ

今週日曜に、バンジョー坂本誠とDUOでのライブがあります。
ニューオリンズ・クラリネットの理想を追求する場。
坂本さんとじゃないとできない、「味」とか「滋味」とかいう世界です。
できるだけシンプルに。
これが難しい。

理想とするのは、「Rudy Balliu Trio」。
ライブも近いからと聞きなおしてみたんです。
あらためて、驚きました。
なんと、クラリネットのソロ・コーラスがほとんどないんですよ!
数曲を除いて、演奏は3コーラスのみ。
クラリネットがテーマを吹いて、ギターと、時にはベースがソロを取り、3コーラス目でクラリネットが簡単なソロからテーマにつないで終わる、という構成です。
一曲はだいたい2〜3分です。

各ソロも、メロディが基調となっているものが多くて、とてもシンプル。
中には、2コーラス目の後半からクラリネットが戻ってきてそのまま終わる短い曲もあります。
バラードなら分かるけど、ミドルテンポの曲でも、ですよ?

すごい。
僕も、シンプルな演奏を心がけてはいますが、さすがにここまで削ぎ落とすことはなかなか。
どうしても、何かやらなきゃ、という気持ちが湧いてきてしまうんです。
ミドルテンポの曲を2コーラス2分で終わらせるなんて、本当にものすごく難しい。

全く違うイメージを持って演奏しないとダメなんだと思います。
曲を演奏するときに、全体のイメージみたいなものが、あるわけです。
抽象的なことなのですが、こうやってこうやってこうなったら落ち着く、みたいな、流れや構成の感覚。
ストーリーテリングとも言えます。
例えば作家でも、書きなれた長さがあって、特定のページ数/文字数が感覚的に体に染み込んでいる場合があると思うんです。
だから、長編作家がエッセイを書いてみてもイマイチだったり、その逆もあります。

僕の場合は、何だろう。
得意なのは、短編、というより、随筆やエッセイかもしれない。
ルディ・バリウの演奏は例えるなら、絵本かな。
それも、ディック・ブルーナみたいなやつ。

エリック・カールだと、違うんですよ。
色が複雑に美しすぎて見とれてしまうから。
好きですけどね。


うん、こうして2人の絵を並べてみると、我ながらいい例えに思えてきました。
よし!
日曜はディック・ブルーナをイメージして演奏してみよう!
どうなるか。
つかめるといいな。

31日日曜日、西荻窪ミントンハウスで、19:30〜22時まで演奏します。
よろしく!

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