ロックは飽きない

最近、ロックを聞いています。
少し前にジョナサン・リッチマンのことを書きましたが(『Jonathan Richman』)、そのしばらく前から、いわゆるアメリカの「インディー・ロック」と呼ばれるものを中心に、聞き直しています。
ルーツ系の音楽やニューオリンズ・ジャズも大好きですが、僕はそもそもロックから音楽に入ってますしね。
(ちなみに、僕にとって「ロック」というのは、アメリカン・ポピュラー・ミュージックを土台にしたものです。
当然、J-popなどは除外されますので悪しからず。)

あらためて、ロックは面白い。
そもそも、リズムとか明確な音楽的特徴を指す言葉じゃない、というか、既成のジャンルからはみ出したものをロックと括るケースも多いわけで、色んな要素が混在してる。
だから、飽きない。


僕は、聞く音楽を気分で選びます。
ひとつ聞いたら、その次は別の雰囲気の音楽をかける。
ルーツ系ロックを聞いたら、次はラグタイム・ピアノ、次は弾き語りSSW、次はガレージ、とか。
同じジャンルの似たようなタイプの音楽を聞き続けることは、ほとんどありません。
単純に、飽きちゃうんですよ。
だってどれも似てるんだもん。

たぶん、ぼんやり聞いてるんだと思うんです。
何かしながら聞くことも多いし。
集中して細かい部分を聞き比べたり、差異に意識を向けたりはしません。
音楽は僕にとって、BGMというか、普段の生活の中の一部に過ぎなくて、能動的に「聞く」というより、なんとなく「聞こえてくる」ものなんです。


ぼんやり聞いてるから、覚えない。
例えばニューオリンズ音楽にしても、かなりの量を聞いてると思うし、理解にも自信があるけど、ミュージシャンの名前や曲名を出されると弱い。
聞いてる総量は多くても、アルバムや曲ごとの違いや区別をあまりしてないんですよ。
なんとなく、雰囲気で聞いてる。
聴き込む、というより、浴びる、とか浸かる、とかいう感じなんですよ、たぶん。
誰かと話してると、みんな名前とかちゃんと覚えてるし、僕とは聞き方が違うんだと思います。

これについては、コロリダスのツアーで痛感しました。
車で移動中にCDをかけるんですが、それがずっとラテンばっかりなんです。
ラテン音楽から入ってずっとそこでやってるわけだから、それが自然なんだろうけど、あらためて自分と違うな、と。
そりゃラテンの中にも色んなのがありますよ。
でも、それは細かい違いであって、ぼーっと聞いてる分には分からない。
似てる。
だから僕は飽きてしまう。
でもみんなは飽きないみたい。
逆に、ラテン以外の音楽を聞いてもぜんぜん無反応だったりする。
とにかく違う。


ジャズやクラシックやブルースなんかも、そればっかり聞いてる人が多いジャンルだと思います。
ニューオリンズだってそうですよ。
ニューオリンズ大好き!って言う人いっぱい知ってるけど、その多くはニューオリンズ「しか」聞いてない。
いや、本当なんですよ。
もしかしたら世の中には、そういう、特定のジャンルしか聞かない人の方が多いのかもしれない。
俺は、聞く音楽もマイナーだし、おまけにその聞き方さえもマイナーなのか。

自分がどうしてこういう聞き方になったのか。
こういう聞き方だからロックが好きなのか、ロックから入ったからこういう聞き方になったのか。
あるいは、単純に飽きっぽい性分なのか。

とにかく、僕にはロックが合ってる。
プレイヤーとしては、ニューオリンズ・スタイルのクラリネット奏者だけど、やってる音楽は節操ないし、聞いてる音楽は手当たり次第だし、ジャズとかブルースとかアヴァンギャルドとか、特定のジャンルの肩書きがこれほどハマらない管楽器奏者も、そうはいないと思います。
あえて言うなら、ロック・クラリネット奏者か。
世界初かもね。


ちなみに、いちばん最近買ったCDはこれ。


ビリー・チャイルディッシュのベスト盤です。
1991年に限定生産されたやつ。
ジャケが、いいでしょ?
画家でもある。
絵もいいんです。


ああこんな大人になりたい!

ミルク・シェシクスやヘッド・コーツを率いた、ブリティッシュ・ガレージ・パンクの、もはや重鎮。
70年代の終わりに活動を始めて、出したアルバムは100枚超えてるという超多作。
音はほぼ同じで、どれもカッコいい。
僕はヘッド・コーツと、あとはブラック・ハンズという素人を集めてカリプソやジャズを演奏するというカオスなバンドが好きです。

これ、Disk Union のパンク館で買ったんですよ。
レジに持って行ったら、10%割引きになるっていうのでその場でメール登録したんです。
そしたら今日、さっそくメルマガが。
それも、「パンク館」からの。
知らないパンク・バンドの情報と、なぜかヤフオクに革ジャンを出品してるらしい。
いや俺そんなパンク買わないんだけどなー・・・。

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