7/20(水)

7月20日 午後

瀬戸信行さんを聞きに、高円寺に行きました。
広島在住のクラリネット奏者。
名前は知ってたけど聞いたことなかったんです。
伴奏楽器なしの、クラリネット独奏。
メロディのようなものが淡々と演奏されて、構成やリズムの変化もあまりない。
頭に浮かんだメロディをスケッチのようにして書き留めて、そのメモを元に演奏してるそうです。

現代音楽みたいでした。
たぶん頭で計算するような作業は少なそうだから、現代音楽の人からすると別物なんでしょうけれど。
調性がない、というかあいまいなんです。
フレーズの終わりかたも、現代音楽にあるような、少なくともポピュラーミュージックにはない、最後に半音下がって調性をぼかして終わる、みたいな感じで。

鼻歌みたいにしてる、って言うから、ああいうメロディが瀬戸さんにとっては自然なんでしょう。
面白い。
僕からは、ああいう現代音楽風なメロディはまず出てこないだろうな。
いや、やってみたら意外にそうなったりして。


そういえば、かなり昔、映画のサントラでクラリネット独奏をやったことがありました。
その時は鍵盤の人と一緒に絡む部分もあって、彼はクラシックの現代音楽的なアプローチだったな。
僕は、小泉文夫の本に出てきた、1オクターブを2つに分けて核音で考えて〜みたいな理論を念頭に演奏したと思います。
なんか、調性があいまいな方がアタマ良さそうでかっこいい、と思ったんですよね、若き日の僕は。
自分の特性がわかってなかった。

その後いろいろな道を経て、いまでは、自分はシンプルな調性音楽が好きなんだと自覚しています。
いわゆる循環コードだけで一晩中ずっと演奏してて飽きないと思う。
単純なメロディの中にどれだけの感情を乗せられるか、みたいなことが好きなんですよね。
それだから、GWOみたいなことがやれる。


ライブが終わってからいろいろ話して。
僕も楽器を持ってたので、吹きっこしたり。
アルバート式は珍しいので、面白がってくれました。
やっぱりクラリネット吹き同士の交流は楽しいですね。

そういえば、他の管楽器奏者と一緒に演奏することも、すっかりなくなってしまった。
トランペットに合わせて裏メロつけたりするの、すごい好きなんですけどね。
ソロとか、フロントでバリバリ吹くのとか、本当はあんま興味ないんですよ。
地味な仕事したい!


クラリネットで、クラシックとジャズ以外のことをやってる人って、少ないです。
だから、瀬戸さんみたいな人に会うと嬉しい。
刺激になります。

あ、あと篠田昌己の話も久しぶりにしたな。
僕が楽器を本格的に始めたきっかけは、名盤『Compostela』なんですよ。

そうそう、クラリネット1本で何ができるか、っていうことを、最近たまに考えるんですよね。
機会があったら、ステージで挑戦してみたいな。
やってみたら、自分の予想しないメロディが湧き出てくるかもしれない。


そんなことを考えながら帰り道、高円寺のあづま通り商店街を通ったら、おじいさんが倒れてた。
ギター持った若者や何人かが周りを囲んで、いろいろ対応していました。
ものすごい緊急に危険な状態ではないようだったけど。
無事だといいですが。

帰宅して、いなたいチカーノ・ロックのThee Midniters を聞いてうなって、今はゆるゆるの天然カリプソ弾き語りの Walter Fergusonを聞きながらブログ書いてます。

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