静かなソウル『GWOアンプラグドwith井上民雄』終了!

昨晩は、『GWOアンプラグドwith井上民雄』。
いいライブでした!

先攻の民雄さんのステージが、良かった。
前回見たときは座っていたのが、昨日は立って歌う。

いつものように淡々と歌います。
たまに入るMCが、こちらをリラックスさせてくれる。
民雄さんの音楽は、緊張感がありますからね。
もちろん、いい意味で。

あらためて、すごく個性的なシンガーソングライターだと思いました。
でも、個性的だということに気づかない人も多いんじゃないか。
何も目立つことや変わったことをしないので。
そういうことも含めた、いわゆるキャッチーさは、ありません。
カラオケで歌われたりするヒット曲とは、違う世界の音楽です。
だから僕は民雄さんの音楽を、誰にでも勧めることは、しないかもしれない。
良さがわかんない人もいるだろうから。
でも、逆に民雄さんの音楽をいいと言う人とは、音楽以外のもっといろんなことを共有できると思います。
この音楽の素晴らしさに反応できる自分の感性が、はっきり言ってものすごく誇らしいです。

ということを考えながらライブを味わい、最後に呼ばれて一緒に3曲演奏しました。

久しぶりに、ステージ上で緊張しました。
ステージに立つことに、じゃなくて、民雄さんの音楽に加わることに対して。
すごく繊細で完成度の高い音楽なので、その世界を乱さないように、ものすごく集中します。
ブログでもよく書いてるけど、僕は自分を表現することには興味がなくて、それよりも音楽の中に埋没したいんです。
昨日は、民雄さんの音楽の一部になりたかった。
少しは、そうやれた気がします。
またやりたいです。


続いてGWOのステージ。
MCで、何度「渋く」と言ったか。
とにかく歌い込むことを考えて演奏しました。
めずらしく譜面台を立てて、歌詞カードを置いて。
新しく用意した曲も多くて歌詞を覚えきれなかったのもあるし、じっくりと歌詞を追いながら演奏したかったんです。
いやー、汗かかないもんですね。
普段のGWOのライブでは、数曲やったらもう息切れして汗だくになります。
それが、昨日はライブが終わっても、いつもの1曲分くらいしか消耗していない。
こんなに違うものか。

吹きかたが違う。
いつもは、自分の限界を超えたいというような気持ちで、「もっと!もっと!」と思いながら吹いています。
後頭部の血管が切れるんじゃないかという瞬間もあるくらいです。
なんか、一線を超えたい欲望があるんですよね。
それが昨日は、本当に「歌う」ことばっかり考えていた。
すごく丁寧に歌いました。
まあ、汗かかなかったのは、単純に、あまり動かなかったから、というのが大きいでしょうけど。

1. Wild Ox Moan  
2. Mean Old World  
3. Cry To Me  
4. Lonely Teardrops 
5. It's Wonderful To Be In Love
6. I Won't Cry
7. Please Send Me Someone To Love
8. Beautiful Isle Of Somewhere 
9. I Wish I Knew (How It Would Feel to Be Free)

個人的には、Wild Ox Moanをやれたのが嬉しい。
これ、メロディなんて8小節しかない。
とうか、メロディという概念の曲ではありませんからね。
古いブルースやハラーのような感じで、言葉を乗せるための曲です。
それをインストで、しかも何のフェイクもなしに、音域すら変えずにやれるなんて。
俺すごいな。大人になったな。


最後はみんなで。
民雄さんが選んだ曲は、なんとニール・ヤングの「Heart of Gold」!
また渋い!
拍手に乗せられて、もう一曲ブルースをやりました。
テーマも何もない、ブルース・セッション。
クラリネットで女性客に絡んでみたりして、盛り上げました。
こういうテンションも、ライブならではです!


正直、不安もあったライブでした。
だって、GWOの持ち味ともいえる部分を、禁じたわけですから。
例えば、高音で思いっきり吹けば、それだけで盛り上がります。
そういう表現をなしにして、ただただメロディを吹くことだけに徹する。
自信と不安の混じった気持ちでした。
こんなにいいライブになるとは!
お客さんが、しっかり聞いてくれてるのがわかったし、「たまにはこういうのやって!」という声もいただきました。
うれしいな。
またひとつ、あらたな確信が持てました。


ライブ後、民雄さんと飲みました。
やっぱり、音楽に対するこだわりというか、「芯」がある。
音楽に対して誠実なんですね。
たぶん、音楽以外のことに対しても、そうなんでしょう。
弾き語り、もっとやってほしいな。
見に行きますよ!


今回のようなライブができたのは、民雄さんのおかげです。
ありがとうございました!

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