The Fave Raves

ジロキチに、The Fave Raves を見に行った。
素晴らしかった。

サザンソウルのバンドです。
ボーカルの青山さんとギターのヒトミさんが中心で、この2人の出す音がね、もう全部の音がソウル。
なんだかわからないけど、にじみ出てるんです。
他のメンバーは時々で違う。
昨日は、ウッドベース、ドラム、ピアノ。
フェイヴ・レイヴス名義でウッドベースなのは初めて見たんだけど、レコーディングも同じメンツだそうです。

レコ発ワンマンでした。
遅れて行ったので、もちろん満員で立ち見。
遅れたのは、行こうか迷ったから。
その後で下北に行く予定もあったし、混むだろうし、お金かかるし。

迷った自分が恥ずかしい。
こんな素晴らしいライブを、こんな近くで、こんな値段で観れるなんて。
1stステージを4曲聞いた時点で、もう感動の波にのまれていた。
涙が出ていた。


しかし、こんなに言葉で説明するのが難しいバンドもない。
だってカバーバンドだから。
アレンジに凝ったりするわけでもないし、表面的には、古いソウルの曲をただ演奏するだけ。
でも、「カバーバンド」という言葉からイメージするお約束の発表会的ヌルさは、ひとつもありません。
そこら辺の若いバンドが束になっても敵わないくらいの、熱。

ゲストの森崎ベラさんは、日本でサザンソウルを歌えるのは青山さんだけだ、と言う。
僕も、少なくとも今まで色んなシンガーを聞いてきた中では、その通りだと思います。
上手い下手とかシャウトとか節回しとかそういうのじゃなくて、とにかく全部からソウルミュージックのエコーが聞こえてくる。
こんなシンガーはいない。
ヒトミさんのギターもそう。
同じフレーズをいくらコピーしたって、こうは弾けない。
もう1人のゲスト、ソウルクラップのタイキさんが、俺たちは25年(?)前から音楽やってる仲間で...みたいに話していた。
それだけ長い間、好きな音楽に愛情を注ぎ続けたら、こんな風になれるものなのか。


お客さんは、ソウルファン(他に呼び方あるのかな?)の人たちが多いようでした。
モッズ界隈とも、かぶってるのかもしれません。
僕はぜんぜん出入りしてないシーンです。
みんな、フェイヴ・レイヴスやソウル・クラップを支えてきたんでしょう。
とても楽しそう。
いい雰囲気です。

だけど、もったいないな、とも思ってしまいました。
もっともっと色んな人が、聞いたらいいのに。
「ソウルファン」以外の人たちにも、響くはず。
そして、このバンドを見れば、ソウルミュージックの良さがわかる。
少なくとも、僕の演奏をいいと思ってくれる人は、フェイヴ・レイヴスに感動するはずです。
だって僕は、ああいう風に、青山さんみたいにやりたくて、クラリネットを吹いてるんだから。

ロックバンドやってる若者や、そこそこセンスのいいルーツミュージックをやってる30代の人なんかが、聞いたらいい。
音楽を愛して捧げて演奏するってどんなことなのか、わかるから。
そういうやり方もあるって、知るのと知らないのとでは、音楽人生の幅が違ってくるから。


アルバムを買いました。
『Another Night In Memphis』

ライブがいいローカル・バンドのアルバムって、微妙なものが多い。
変にスッキリした音で、しかもどこか安っぽかったりするので、普段はあまり買いません。
でもこれは、なんとリボンマイク2本の一発録りだそうです。
それならきっと間違いない!
こんなライブ見てそんなこと言われたら、期待しちゃいますよ!


後の予定があり、アンコールの途中で店を出ました。
それでも、十分に満足しました。
こんなバンドが身近で聴けるなんて、なんて恵まれてることか。
また、見に行こう。

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