「エキゾチカ」はじめました

「エキゾチカ」アルバムを、つくっています。

「エキゾチカ」とは、1950年代後半にアメリカで流行った音楽ジャンルです。
戦争に勝って景気のいい時代に、調子に乗った能天気なアメリカ人は、非西洋圏の文化に対して、勝手にロマンチックな憧れを抱いていました。
アフリカの密林やらハワイの浜辺やらで踊るエキゾチックな美女たち。
そんな楽園のイメージを盛り上げるBGMとしての、インチキ・ワールド・ミュージック。
この「インチキ」な部分、現地の音楽をきちんと学んだりしない適当さが逆にオリジナリティとなり、いまだに多くのスキモノの心をつかんで離さない。
うさんくささが魅力の音楽です。

パーカッションのリズムの後ろで鳥の声が響き渡り、木琴が怪しいメロディを奏でるのが、基本スタイルです。
日本では、細野晴臣がYMO以前に発表したトロピカル3部作への影響や、90年代サブカル界隈でのモンド・ミュージック・ブームで注目されました。
最近では、星野源のいたサケロック。
バンドの名前が、「エキゾチカ」の王様マーチン・デニーの曲名からきてますからね。
サケロックのサウンド自体は、そこまでエキゾチックではないけれど、ちょっとハスに構えた音楽性にやはりエキゾ・エッセンスが見え隠れします。


「エキゾチカ」も含めて、僕は昔から「変」な音楽が好きなんです。
「変」だという噂を耳にすれば、ジャンル問わず手当たり次第に聞き漁ってきました。
コロリダスのけんた君も、そういうタイプです。
僕がコロリダスに加入したのは、ラテン、ブラジルの要素よりも、彼の「変」なセンスに対するシンパシーが、実は大きいんです。

「エキゾチカ」いいね!やりたいね!ってけんた君と酒の席で盛り上った勢いで、気になるミュージシャンに声をかけ、今年からスタジオに入っています。
かなり強力なメンバーです。
ギターにExotica De Lago の長久保さん。
エキゾチカといえば!というくらいの、素晴らしく独特なギタリスト。
パーカッションにSenkawos のエリヲちゃん。
こんな自由で「変」なパーカッション奏者は、そうはいません。
そして、けんた君が弦楽器やいろんな色づけをして、僕がクラリネットを吹きます。

「エキゾチカ」というキイワードだけあって、何も決めずにはじめたこのプロジェクト。
すでに、まったく「エキゾチカ」ではない音楽になってきています。
これは、面白いものができる!
少しづつ、このユニットについて書いていきます。
乞うご期待!

(つづく)

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