2017年3月29日水曜日

ミュージシャンの名前が覚えられなくてさみしい

音楽の話をしていてコンプレックスを感じることがあります。
データを、おぼえられないんです。
曲名、ミュージシャンの名前、どのバンドに誰がいた、とか、何年録音のどのアルバムにどの曲が入ってた、とか、どこのレーベルがどこにあった、とか、ぜんぜんおぼえられません。

僕が好きな音楽は、マイナーなものが多い。
そういうマイナーな音楽を好きな人って、細かいデータをすごくよくおぼえています。
いわゆるバックミュージシャンの名前は知っていて当然だし、どの曲が何年にどのスタジオで録音されたか、特定のレーベルの何年頃の録音にはアイツが関わってるはずだ、とか。
そんな会話が普通に、本当に普通に、みんな楽しそうに話してる脇で、僕は実はまったくついていけません。

聴いてる量は、みんなと変わらないはずです。
話題にのぼるミュージシャンの名前は、たいてい知ってます。
知ってはいるんだけど、その人がどの音源に参加してる、というようなことは、記憶から抜け落ちてる。
僕はCD世代で、CDを聴くときは、ライナーノートを読み、ミュージシャンのクレジットにも目を通しながら、このギター○○なんだ!とか思って聴いてるんだけど、それをすっかり全部忘れちゃう。


僕がいちばん深く聴いてきたのは、ニューオリンズ音楽です。
この音楽に関しては、少なくとも日本で僕より聴いてきたヤツはいないだろう、というくらいに、たくさん聴いてきました。
それでも、人名はおぼえてないんですよ。
こんなに聴いてきて、誰よりもその感覚をわかってるぜ!というくらいの自負もあるのに、みんなの会話についていけない。
ニューオリンズ音楽を好きな人の会話には、ミュージシャンの名前がポンポン出てくるのが普通だから、よけいに。

ニューオリンズ音楽でさえ、そうなんです。
本当に、おぼえられないんですよ。
おぼえようと思って、ミュージシャンの相関図やデータ本を読んだりもしたし、自分でノートにまとめたこともあります。
でも、ダメでした。
このリズム最高だ!って思ってあれだけ何度も聴いた曲のドラマーの名前さえ、思い出せない。
ぜったいに俺ほど聴きこんでない、別にそんなに音楽愛してないだろう友達の口からミュージシャンの名前が次々と飛び出すのを聞くと、もどかしく感じずにはいられません。


なんでだろう。
自分が演奏するのでも、曲の構成、特に繰り返しの回数とかがおぼえられない。
何回やったらサビにいって、最後はこのフレーズを何回くり返す、とかいうことが、苦手なんです。
まあ回数をおぼえてなくてもちゃんと演奏できるし困ることはないんだけど。
それどころか、数を数えようとするとかえって間違えてしまいます。

音楽だけのことじゃなくて、昔から、とにかく記憶するのが苦手なんです。
なんでもウソみたいに忘れちゃう。
記憶にある出来事が、本当にあったことなのか、空想上のことなのか、わからない。
たとえば親と昔の話をしてると、身に覚えのないエピソードばっかりです。
数年前のことだって忘れてて、一緒にいた友達にビックリされたりします。


小・中・高校まで一緒に通った、鈴木くんという友達がいました。
彼は、記憶力がズバぬけていた。
何月何日にあそこでだれが何て言ってどんな服を着ていて何時ころでそのあとどうした、とかを、細かいディテールまで正確におぼえてる。
数字や雑学にも強くて、いろんな面白い話を知ってるので、人気者でした。

高校時代のあるとき、彼が言うんです。
お前がうらやましい、って。
自分は見たものを何でも忘れられなくて、かえって困る。
さっきすれ違った女の子の靴下の色までおぼえてる。
おぼえる気がなくても、目に入ったら記憶してしまって、かえって不自由な気がする。
忘れられるのがうらやましい。


どっちがいいか悪いかは、わからない。
忘れちゃう、っていうのは、身軽な部分もあるのかもしれない。
それでもとにかく、まわりの音楽の話についていけないのが、もどかしいんです。
みんな、固有名詞を使わずにしゃべるわけには、いかないんだろうか。


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