俺は「クラリネット奏者」なんだろうか

昨日はペーソス。
新宿の道楽亭Ryu's Bar。
ふだんは、噺家さんが出るようなお店です。
ペーソスでは、浅草の寄席にも出てます。
クラリネットやってて、こんな風に芸の世界で演奏することになるなんて、想像もしませんでした。

数えてみたんです。
2ステージで14曲。
その中で、普通のクラリネット演奏をしたのは、多めに数えて5〜6曲のみ。
あとは、変な踊りをしたり、打楽器を面白おかしく鳴らしたり、クラリネットを吹いたとしても、ネタみたいなことだったり。
いつかの寄席では、クラリネットを手にしたのが1曲だけだったこともあります。


いま、Golden Wax Orchestra のレコーディングの準備をしています。
サザンソウル・ナンバーを、クラリネットで「歌う」ユニット。
あらためて、それぞれの歌詞を読みこみながら練習してみると、どんどんフレーズがそぎ落とされていきます。
ここまでメロディに徹することは、管楽器奏者としてはあり得ないでしょう。
さらに、「シャウト」もします。
2〜3曲でクタクタになります。
もはやロック、いや、パンクのノリです。

ムードクラリネットでも、メロディに徹します。
このときは、演奏だけじゃなくて、演歌や昔の歌謡曲の歌手をイメージして「振り」的なステージングもやってます。
片手をはなして広げたり、見栄を切ったり。
最近では、タブレット純さんに誘われて、ムードコーラスのグループにも加入したら、お客さんから決めポーズが素敵!なんて言われたりして。

コロリダスでも、ライブを盛り上げるために、演奏以外のいろんなことを追求してきました。
ライブを重ねる中で、片足奏法やブリッジ奏法、横吹きなども編み出しました。
本来のクラリネット奏法では、反則とされるものばっかり。
クラシックの世界では、座ったときの足の位置まで厳しく指導されたりもするそうですからね。


BGM演奏やパーティ演奏などでは、本来のニューオリンズ・スタイルでのジャズ演奏もやってます。
でも、「ライブ」としては、普通のクラリネット演奏はどんどん減ってきている。
俺は「クラリネット奏者」なのか。
なぜこうなってしまったのか。
人生って予測不能です。


ということを、楽器の修理に向かう電車の中で考えています。
そして今夜は久しぶりに、オーセンティックなニューオリンズジャズのライブ。
演奏することも、やっぱり楽しい。

楽しいことなら、なんでもやっていきたいと思ってます。

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