ソウルシンガーと並んで吹いた。最高だった。

とっても嬉しい夜でした。
尊敬する、The Fave Raves とのツーマンライブ。
ソウル好きのお客さんも、そうでないお客さんも、お店の全体が、ソウルフルであったかい雰囲気で。
GWOのライブはいつも体力を使ってヘトヘトになるんだけれど、昨日の疲れは、いつになく満足感のある心地よいものでした。

Golden Wax Orchestra のテーマは、サザン・ソウルです。
サザン・ソウルって、人気があるとは言い難い。
はっきり言ってマイナーなジャンルです。
フェイヴ・レイヴスは、そんなマイナーな音楽をひたすら25年も演奏している、稀有なバンドです。
出会ってから15年以上、明らかに、どんどん深みが増している。
ひとつの音楽を追求するってどういうことか、美しい形で体現してるんです。

クラリネットでボーカリストのように「歌う」のが、GWOの目標です。
もちろん真剣にやってるんだけれども、それでも、引け目のような気持ちが、どこかあります。
だってクラリネットだから。
既存の形じゃないものって、なかなか真面目に受け取られないことが、ある。
クラでサザンソウルなんて。
イロモノとして見られるんじゃないか。
特に、ブルースやソウルって、いわゆる「うるさい」リスナーが多いから、よけいに気後れしてしまう。

そんな引け目もあって、その道ひとすじのボーカリストである青山さんに声をかけるのは、特別なことでした。
「歌う」ということに自信と覚悟がなければ、気軽に同じステージには立てない。
GWOを始めて4年、ようやく、誘うことができた。
バイユーゲイトでのツーマン企画、いままでも、好きな人しか呼んでないし、どれも満足できる内容でした。
ハッキリ言って、ラインナップには自信があります。
でも今回はその中でも、スペシャルな意味がね、あったんですよ。

まずは、フェイヴレイヴスから。

馴染みの店、バイユーゲイト。
いつもの空間で聞くこのバンドは、最高でした。
いや、いつも素晴らしいんですけどね。
何が最高だったかって、きのうは、フェイヴ・レイヴスをはじめて聴くお客さんも、たくさんいたんです。
サザンソウルなんていうマニアックな音楽で、特に派手なステージングがあったり面白いことやるわけでもない。
言ってみれば、ただ歌うだけ。
ほとんどカバー曲だし、しかも英語だし。
それでも、原曲を知らない人、サザンソウルを知らない人にも、ちゃんと伝わる。
その様子を目の当たりにして、もうなんというか、感無量というか。
サザンソウルって、名前の通り、ソウル=魂の音楽です。
魂のようなものを表現することにこれだけ特化した音楽って、他にないんじゃないかと、思ってます。
なんかね、そのことが証明されたような気が、したんですよね。

SNSにアップしたライブ動画を見て、来てくれた人もいました。
こんなバンドがいたなんて!って感激している様子見て、ああ、もうたまらない。
そうやって、感動を共有できるのは、何にも変えがたい幸せです。
フェイヴ・レイヴス、僕の演奏を好きな人なら気に入ってくれるはず、とは思っているけれど、それでも音楽には好みがあるし、はたしてどうかな、という気持ちは消えないものです。
フェイヴ・レイヴスのステージの終盤には演奏に僕も加わって、終わったときには、もう自分のステージやらなくていいんじゃないか、ってほどの満足感でした。

そして、自分の番。


実はライブ前までは、フェイヴレイヴスの後でやるって、どうなんだろう?と思ってたんですが、気負わずやれた。
あんなにひたむきな演奏を見た後ですは、もう、ただ真っ直ぐに吹くことしか、できませんからね。
フェイヴ・レイヴスを見に来たお客さんも、楽しそうに聴いてくれてる。
クラリネットでソウル、ってどう思われるか不安もあったから、嬉しかったな。
青山さんとギターのヒトミさんが、僕のクラリネットに合わせて歌詞を口ずさんでいる。
ああよかった。
間違ってなかった。

最後にまた、全員で。

青山さんが、打ち合わせと違う曲をやりたいって言い出しました。
Bring It On Home To Me。
この曲を、一緒にやれるとは!
サム・クックが浮かびます。
続いて、Having A Party。
ハーレム・スクエアのライブ盤の、最後の曲。
クラを置いて、ヒトミさんのマイクで一緒に歌う。
サムの退場前の台詞を、青山さんが言う。
ああ、なんかいま思い出してもグッと来ちゃうな。

アンコールで、オヴェイションズをやって。
最高でした。
やり切りました。


Golden Wax Orchestra、ひと山越えたような、なんか区切れたような気がします。
本当に、みなさん、ありがとうございました!

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